陸上競技

記憶に残るフライング

投稿日:2017年5月22日

記憶に残るフライングBEST3(私が勝手に選びました)

ジョン・ドラモンド選手(2003年 パリ世界陸上・100m2次予選)

フライング後の2度目のスタートでフライング判定をうけたドラモンド選手は「I did not move!(俺は動いてない!)」とトラックに寝転んで猛抗議。審判が退場するように促すも受け入れずトラックに寝転び続け長時間競技が中断しました。

ようやく失格を受け入れ退場するも、会場のスクリーンに涙を流すドラモンド選手が映し出されると観客席から激しいブーイングが起こり再び競技は中断。結局1時間ほど遅延が発生する事態となってしまいました。この行為によりドラモンド選手は陸上界を追放されてしまいます。確かに彼の抗議により同走の選手たちや多くの関係者に迷惑が掛かりました。しかし彼の気持ちも分からなくはありません。年齢的にも最後の世界大会、競技人生の集大成として臨んだはずです。それが自覚の無いフライングで失格とあっては納得いかないでしょう。その後の分析でドラモンド選手のスターティングブロックには号砲後0.05秒で一度小さな圧が掛かり、その後0.12秒の時点で大きな圧が掛かっていることが判明しました。つまりスタートを切る寸前の微妙な動きをセンサーが検知してしまった可能性が高いということです。実際にスタートを切ったタイミングはフライングではありませんでしたが、そこは機械が判定することなのでどうしようもありませんでした。

リンフォード・クリスティ選手(1996年 アトランタ五輪 100m決勝)

まだ一人一度のフライングが許されていた時代ですが、前回チャンピオンが2度目のフライングを犯し失格となるという波乱でした。一度目のフライングは明らかに号砲前にスタートを切っていましたが、二度目のフライングは肉眼では判断できないレベルの微妙なものでした。連覇を狙ったクリスティの五輪決勝は走ることなく終わりました。ディフェンディングチャンピオンがいなくなったレースはカナダのドノヴァン・ベイリーが世界新記録で駆け抜けました。カメラのフラッシュを浴びるベイリーと首を振りながらスタジアムを去るクリスティ、残酷なほど明暗が分かれたシーンでした。ちなみにこの100m決勝は3度のフライングがあり4回目でようやくスタートが決まりました。この間集中力を保ったベイリーは素晴らしいと思います。

ウサイン・ボルト選手(2011年 テグ世界陸上 100m決勝)

これはまだ記憶に新しい、世界記録保持者ウサイン・ボルトの衝撃の失格。もはや勝つのは当然で世間の関心はどのくらい世界記録を更新するのかであったと言ってもよいでしょう。そのぐらい当時のボルトの力は抜きん出ていました。そのボルトがまさかのフライングで失格。肉眼でも分かる明らかなフライングでした。

反応速度は-0.104秒、つまり号砲の前に飛び出していました。自覚があったのでしょう、ボルトはフライング直後にユニフォームを脱ぎ捨てて悔しがりました。「楽勝だったのに!」と。

彼に何が起こったのか?ボルトはスタートが得意な選手ではなく、当時スタート技術を改良中ではありましたが実力から言えば、それほどスタートに対してナーバスになる必要はなかったと思うのですが・・・。ここまでの世界大会で2大会連続3冠(100m・200m・4×100mR)を成し遂げていたボルト選手、テグ世界陸上で3大会連続3冠を達成すれば正に生ける伝説となったはずでした。最初の100mで早くも3冠は無くなってしまいましたが、このフライングも後世に語り継がれる「伝説の失格」になったことは間違いありません。

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