世界陸上が始まりますね。注目はやはり男子100mですね。人類最速の男、ウサイン・ボルトのラストランです。どのような結末が待っているのか。ボルトのシーズンベストは9秒95と不調ですが、ここ数年はいつもシーズン前半が不調ながら世界大会の決勝では必ずシーズンベストをマークしライバルの挑戦を退けてきました。ボルトの強さとは記録が世界最速であること以上に、ピーキングの上手さと勝負強さです。「速い」上に「強い」選手なのです。
ボルトのライバルとしては米国のガトリンとコールマンになるかと思います。コールマンは今年9秒82をマークした若手のスプリンター。今季世界最高タイムをマークしていますが世界大会の経験は少ないです。ガトリンは言わずと知れたボルトの宿敵です。前回大会の100mはゴール寸前までリードしましたがボルトに逆転を許し0.01秒差で2位に終わりました。ボルトを倒すラストチャンスということで燃えているはずです。コールマンに勝ち、全米陸上を制して調子は上々です。ただ35歳という年齢がラウンドを勝ち上がっていく場合にどう影響してくるか。そして希望を込めて日本のサニブラウン・アブデル・ハキームも挙げたいと思います。まだ早いと思われて当然です。持ちタイムは10秒05ですが、スタートに伸び代があり、世界陸上では9秒台突入の可能性が十分にあります。大舞台に動じないメンタルの強さもありますので期待しています。
正直ボルトが100mで勝って花道を飾るという可能性は低いと思っています。しかし2012年のロンドン五輪のころから「今回は厳しい」と言われながら最後には勝ってきた男です。今回も何とかするのではないかと期待せずにはいれません。確実に言える事は勝っても負けてもドラマチックなラストシーンになるということです。