前回に引き続き、アキレス腱痛について書いていきます。
アキレス腱痛の初期段階であれば温まると痛みが消失するのでごまかしながら走ることが可能です。春先に発症しながらどうにかシーズンを乗り切った事もあるのでその時の事を書きます。原則としては痛くなったらケアに専念すべきであること、あくまで個人(アラフォー、400m選手)の経験なので同じことをして良い結果になる保障は無いということを念頭に置いて読んでいただけるとありがたいです。
その時の私の症状は
■歩いても痛い
■ジョギングはもっと痛い
■スピードが上がると痛みが軽減する
■温まると痛みが軽減する
■走った次の日は朝起きて一歩踏み出すのが怖いぐらい痛い
というものでした。
まず走る練習は週2回のみとし、そのうち1回はスパイクを履かないと決めました。ジョギングすると痛いのでウォーミングアップは動的ストレッチをして芝生で流しという形で行いました。温まって痛みが軽減してきてもスパイクは履かず芝生の上でスプリント練習を行いました。全力疾走をしつつアキレス腱への負担を減らしたかったからです。芝生は100mしかありませんので距離を走りたいときは往復走を行いました。スパイクは週に一度だけ300mか350mのタイムトライアルをやるときだけ履きました。本数は1本のみとし、痛みが出なくても必ず1本で終了しました。
ポイントをまとめると・・・
- 走る量を減らす(週2日だけ)
- 負担を減らす(芝生、ノースパイク)
- スパイクを履く練習は週1本のみとする
- 絶対に2日連続で走らない(必ず2~3日休む)
- 温まっても痛みが軽減しなかったら走らない
- 上記ルールを必ず守る
この年はこの方法でどうにかシーズンを乗り切り、それなりの記録を残すことができました。
ごまかしながらも結果を残した翌年にもシーズン途中でアキレス腱痛を発症しました。同じ方法で乗り切ろうとしましたが、この年はウォーミングアップしても痛みが軽減せず、(それどころか痛みが増し)走る速さに関係なく痛みました。シーズン途中で離脱し半年ぐらい休んでようやく痛みが消えました。傷めた場所が悪かったのか、前年に無理をした影響もあったのかもしれません。
もうここまで来ると日常生活も困難になります。朝起きての一歩めが激痛で2階から降りるのに毎日苦労しました。日中は痛みがある程度は和らぎますが、それでも歩いていて一歩一歩痛みますし、立っているだけでも痛いのでひたすら安静と治療の日々です。治療に行ってもあまり改善されず、もう治らないんじゃないかと思うほどでした。
当時はふくらはぎ、足裏、すね、足首周りの全てが硬くなっていました。治療で緩めてもすぐに張ってしまうような状態でした。トレーニングはしていないのにどうして張ってくるのだろうかと疑問でしたが、筋肉は繋がっていますので1箇所でも悪いところがあれば周囲の筋肉も影響されて硬化していたのだと思われます。
痛みが出ている部位だけをケアしてもなかなか張りや痛みはとれませんでした。最終的にはアキレス腱から遠い臀部や腰部まで治療して筋肉を緩めてからアキレス腱に再度アプローチしてようやく痛みが緩和されました。ここまで悪化してしまうともう休むしかありません。治療に行っても時間が掛かるのでそのシーズンは諦めて治療に専念するほうが賢明です。
いろいろ試しましたが結局のところ休養が一番効いたような気がします。治ってしまえば「あの痛みは何だったんだろう」という感じでした。しかし諦め悪くトレーニングを継続していたら致命的なダメージを負い、引退していたかもしれません。