陸上競技

高校球児の50m走速過ぎる問題 2

投稿日:2018年8月21日

前回は電気計測と手動計測でどのくらいタイム差がでるのかという事について書きました。

手動計測を電気計測に換算するにはタイムの100分の1は切り上げて0.24秒プラスする必要があるという話でした。

では電気計測換算すれば陸上競技の記録と手動計測の記録を比較できるのかというとまだ足りません。

手動計測ではスタートでストップウォッチを押すタイミングがタイムに大きく影響します。

スタート合図の音で押す

ピストルが無い場合に用いられる一般的な方法です。
笛の音や「ヨーイ、ドン!」を聞いてストップウォッチを押します。
音が聴こえるまでのタイムラグはありますが、陸上競技の手動計測に近い状態なので電気計測換算した記録が電気計測の記録と比較できると思います。
ただし、走者が完全に静止した状態から音に反応してスタートを切ることが大前提です。
ヨーイドンの声に合わせて体を前後に揺らしたり、腕を振ったりしてタイミングを取ってスタートしている場合は次に説明する「動き出し」の測定方法に近い状態になっています。

走者の動き出しを見て押す

これは合図をせず走者がスタートしたのを見てストップウォッチを押す方法です。
走者は完全に自分のタイミングでスタートを切ることが出来ます。
また測定者が走者が動いた後で時計をスタートさせていることになるので当然タイムは速くなります。

走者の一歩目の着地で押す

文春さんの記事にあった「1歩目が地面についた瞬間から測定をスタートする方法」でタッチダウンとも呼ばれる計り方です。
これは「動き出し」よりもさらに速いタイムが出ます。
自分のタイミングでのスタートに加え、一歩目が着くまで時計が動かない訳ですから当然です。
距離にしても一歩進んだ位置からスタートなので1m近く短くなっています。

どのくらいタイム差があるのか

実際に自分の50m走の動画を見てタイムを計ってみました。

同じ動画にもかかわらず、

ヨーイドンの「ドン」で押した場合:6秒35
動き出しで押した場合:6秒05(-0.30)
一歩目の着地で押した場合:5秒87(-0.48)

という結果でした。

ネット環境の良い所で計ってみて下さい。
(靴を置いてあるところがゴールです)
当然、人によってタイムにバラつきはありますが、
押すタイミングでタイムが全然違うということは解っていただけると思います。

僕が計った結果に基づいて計算すると・・・
例えば手動計測のタッチダウンで5秒91を陸上競技のタイムに換算しようとした場合、
静止状態から音に反応してスタートした場合+0秒48として6秒39となり、手動のタイムは100分の1を切り上げるので6秒40、電気計測換算で+0秒24して6秒64ということになります。
その差+0秒73
50m走ると5m以上差がつくタイム差です。

まとめ

繰り返しになりますが、測定方法が不明な手動計測のタイムと陸上競技の電気計測のタイムを比較することは出来ません。

比較したい場合は完全に静止した状態からスタートの合図を聞いてスタートする方法でタイムを計り、100分の1を切り上げし0秒24足して下さい。
タイムを計る人が熟練の計測員じゃないのでその辺の計測誤差は出てしまいますが。

この方法でも5秒台なら陸上競技でも100m10秒台の可能性があります。もし他競技で芽が出ないようなら陸上への転向をお勧めします。

そもそも僕は他競技の選手が陸上選手より速い訳が無いと言っているのではなく、比較できない記録を比較しないで欲しいと言いたいのです。

野球やサッカーの選手の中に陸上競技の逸材が埋もれている可能性は十分あると思っています。

実際に高校球児から陸上トップ選手になった事例があります

さあ、各競技の俊足自慢の皆様、もう一度正しく50m走を測定してみよう!
(そして本当に5秒台なら是非陸上への転向を!)

追記:野球部出身者から陸上のアジアチャンピオンが!

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