徳島の山奥に世界一の観光用モノレールがあるのを知っていますか?
全長4600m
高低差590m
最大傾斜度40度
最頂標高1380m
(これら全てが世界一)
長男の「モノレールに乗ってみたい」の発言を受けてググらなければ、この先も知ることは無かったと思われる。
長男「行くしかない」
・・・連れて行くのは俺だぞ。
遠かった。
めちゃくちゃ遠かった。
岡山から瀬戸大橋を渡り、山道を走ること合計3時間以上。
ナビに従い高知自動車道を新宮ICで降りて国道32号線→439号線を東へ進むルートで行ったんですが、道中だいたいこんな感じ。
これぐらいが平均です。もっと狭いところもありますし、ガードレールが無い箇所もあります。
30km/hぐらいでしか走れないので距離のわりに時間が掛かります。
高速道路を降りた瞬間に野生のサルが横切ったので嫌な予感がしましたが、なかなかの秘境でした。
15台の車両を5分間隔で走らせるため、土日祝は数時間待ち、昼にはチケットが完売することもあるらしいです。
予約は受け付けておらず、当日チケットを取った順とのこと。
絶対に乗りたかったので平日の午前中に行きました。
平日の午前中は閑散としています。
道中長かったので本当に営業していて一安心。
モノレールは発進すると65分間ノンストップなので事前にトイレを済ましておかなければなりません。
長男に「トイレは大丈夫か?」と確認したら「大丈夫!」と即答。
しかしスタッフのおじさんが「いや行ったほうがいい、絶対行ったほうがいい」
と真剣に説得してくるので念のためトイレに連れて行ったら
速攻で大きい方をかましたので子どもの「トイレ大丈夫」は一切信用できんなと思いました。
さて排便の憂いを断っていよいよモノレールに乗り込みます。
前後に座席が並んだ2人乗りの車両。
レール上に倒木がある場合等、非常時には緊急停止ボタンを押さなければならないので、大人がボタンのある前座席に乗らなくてはならないとのこと。
前の座席に大人と子どもの二人乗りならOKということなので、そのスタイルで出発。
と思いきや
「あ、やっぱり5号車はやめて1号車にしましょう。昨日止まったんで」
急遽マシンチェンジ
「何かあったら先ほどの説明の通りトランシーバーで呼んで下さいね。いってらっしゃーい」
明るく送り出されたが不安しかない。
(こいつだけが頼りだ)
出発するとすぐに急な上り坂。
体感的には40度以上。
傾斜に合わせて座席の角度が自動で変わっていきます。
周囲は・・・ONLY森
この日は快晴でしたが太陽の光が僅かに差し込む程度で涼しい。
鹿を発見!
上りはこんな感じ↑
頂上付近は視界が開けます。
車両も減速するので景色を楽しめます。
僕「あれが剣山かな」
長男「どれ~?」
僕「あの尖がった辺?」
長男「あ、鹿!」
ぐらいの会話で頂上(唯一の絶景ポイント)は通過します。
あとはひたすら森の中を下ります。
レールの先が見えない程の急勾配もあります。
上り同様傾斜に合わせて椅子の角度が変わっていたのですが、なぜか途中から変わらなくなったので自力で踏ん張りました。
ゴール手前で唯一のすれ違い。
行き帰りのレールが並走するのは駅舎の近くだけで、車両も5分間隔で出発するので65分間のほとんどは「森の中に自分たちだけ」というシュチュエーションを楽しめます。
乗ってみての感想ですが、
僕も長男も大満足でした。
ただ個人差はあるかな~と思います。
なんせ景色が良いのは頂上付近の数分だけで、あとはほとんど森の中ですからね。
かなりの傾斜があるとはいえ車両の速度は早歩き程度なのでジェットコースターのようなスリルはありません。
遊園地のようにエンターテイメントを与えてくれるものは一切ありませんので、楽しめるかどうかは自分次第。
そこに在る自然を楽しめないと、この65分は退屈な時間になると思われます。
・山奥なので車の運転が苦手な人は厳しい
・定休日(水曜日)以外でも保守点検で休みの場合がある
・悪天候でも運休になる
・トイレがちかい人は地獄になる可能性がある
・トラブルがあれば森の中で待機、最悪自力で下山する可能性がある
・夏で涼しい=春、秋は寒い可能性があるので防寒着が要る
・スマホやカメラの落下防止をしたほうがいい!
特に営業してるかどうかはしっかり確認したほうがいいと思います。前日と、できれば当日も。トラブってるかもしれませんし。
天候に関しては山奥なので天気が読みにくいです。祈るしかありませんね。
苦労して行っても乗れない可能性があるし、楽しめないかもしれない。
でも行ってみて欲しい!そんな場所です。
場所:徳島県三好市東祖谷菅生28